健康アップデートのその後・復活できるような対策はないと断言する理由

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グーグルが実施した健康アップデートについて過去をひもとき、その後と今後の見通しをお伝えしています。

「健康系ジャンルにSEOを施そうとしても効果を発揮しない」と言われますが、判断となる情報を「健康系アップデートのその後のデータ」に基づいて見通しをご紹介したいと思います。

熊谷ヒカル
健康アップデート後に試してみた自虐系テストがリアルすぎて見ものです。

※2019年5月27日更新
※2020年5月21日更新

健康アップデートの概要

まずは健康アップデートの概要について以下2点を見ていきたいと思います。

  • 健康アップデートの大きな流れ
  • アップデートの実態と事例

健康アップデートの大きな流れ

健康アップデートとは検索エンジン大手グーグルによって「健康に関する検索結果についての順位付け方法の更新」を言い、このジャンルのウエブサイトのランク付けの基準を変えたといった意味になります。

健康にまつわるウエブサイトへのグーグルのアップデートの実施状況は以下の通りです。





  • ①2017年12月6日の健康アップデート

    健康にかかわるクエリの6割」が影響を受ける大幅なアップデートで、それまで上位表示できていたサイトが圏外に飛ばされる。

    グーグルウエブマスター向け公式ブログより


  • ②2018年8月1日のコアアップデート

    YMYL系(金融系と健康系にまつわる情報)のサイトに激震が走る。


  • ③2019年3月12日のコアアップデート

    多くのジャンルのサイトが「グーグル砲」で影響を受けて大幅な検索順位の下落を強いられる。特にYMYL系のウエブサイトの影響が大。




①2017年12月に実施されたのアップデートは、国内の健康にまつわるウエブサイトを狙い撃ちにして行われた異例中の異例なアップデートでした。

国内の健康に関するウエブサイトで重大な数々の問題をグーグルが検出し、国内の同サイトに限って対策を打ったアップデートです。

①は、すべてのサイトが対象となった2016年のペンギンアップデート、2015年のパンダアップデートとは明らかに異なっています。

熊谷ヒカル
狙い撃ちされるほど大問題がありました。

健康アップデートについては2017年12月7日だけでなくその後のコアアップデートまで厳格さが踏襲されているので、広い意味で言って「実質は現在に至る一連の実施」をなすと言ってもいいでしょう。

これまで健康系のジャンルで成り立っていたウエブサイトは「①で被弾 ②で追い打ちをかけられ ③でメタメタな状態」になって「健康系ジャンルはオワコン・立ち入ってはならない」という事実から目を背けることができなくなっています。

健康にまつわるアルゴリズムアップデートの実態・事例

2017年12月6日の健康アップデートが実施される以前に起こっていた重大な問題にかかわったサイトについて事例を挙げていきたいと思います。

それら全てのサイトについての共通点は、「根拠や裏付けがない点」にあり、以下問題が起こった背景なども含めてみていきましょう。

①WELQやMERYなどのキュレーションサイト

WELQやMERYのキュレーションサイトは、クラウドソーシングで”アマチュアに毛が生えたような専門性のないライターが低報酬で作成した記事”から成り立っていました。

キュレーションサイトの問題点

運営側も医療・健康に関する記事の内容が十分な信頼性があるかを確認する体制が全くなく、「信憑性も裏付けもない健康記事」を低品質ライターが報酬を稼ぐために量産しているところに事の発端があります

従来まではウエブサイトのインディックス数が多いほど上位表示されやすいといった認識もあり、運営側は健康に関する裏付け確認よりも収益確保に注力し過ぎた後の祭りだったようです。

②ネバーまとめやヘルスケア大学

ネバーまとめは登録無料で誰でも投稿できるまとめサイト。ドメインパワーが強く検索結果の上位に入る記事が多くあり、一時グーグルは好んで”まとめ系サイトを上位表示させていた(過去形)”時期があります。

ネバーまとめの問題点

しかしほぼ”他サイトの情報の引用”で成立している記事がその実態だったので、グーグルが以前から嫌っていた「他のサイトの情報を順序を変えたり切ったり貼ったりしているだけの中身のないコンテンツ(オリジナリティがない・独自の付加価値がない)」でもありました。

当然引用元の信ぴょう性や裏付けなどもほぼ意図されていません。

ヘルスケア大学については5000人の医師が同サイトの記事を監修していると謳われていたものの、監修医師一覧の中には「登録した覚えはない」といったケースも多く、サイト自体の信ぴょう性が問われていました。

ヘルスケア大学の問題点

医師が監修していると謳われていたものの、医学の素人であるユーザーからコンテンツへの信ぴょう性について多数指摘されるように。

同サイトは指摘記事について大幅なリライトを行うなどして閉鎖寸前の危機を免れたようです。

③実質上の健康被害や問題の発端となった健康系サプリ一例

バストアップサプリについては「月経が止まった」など消費者センターに数百件を超える被害が寄せられていました。

注意

サプリ自体安全性が確認されているのか信憑性が万全とは言い難く、豊胸願望に付け込んで過剰な広告が目立ちました。

また、信ぴょう性度返しで収益性だけを追求したアフィリエイトサイトも横行していたのも事実でした。

熊谷ヒカル
これだけトラブルがあると、日本の健康系ウエブサイト限定でアップデートを行うのも「なるほどね」となります。

現在バストアップサプリは実質上の自粛傾向にあり、変わってバストアップブラの広告をやたらと見かけるようになっています。

健康アップデートは「消費者庁じきじきの強制的な依頼ではないか?」という有力説

※2019年5月10日追記

この「国内のヘルスケアサイトへのピンポイントグーグル砲」は、上のような背景に加味し後述する消費者庁の是正勧告を受けたヘルスケア商品事例の影響が高かったようです。

100%確定している事実ではないですが、「日本の健康系ウエブサイトの狙い撃ちグーグル砲」について以下のようなある推測が浮かびます。

狙い撃ちについての推測

消費者庁からグーグルに「無難な大手企業以外は上位表示しないでほしい」というような趣旨の依頼があり、それ以外のウエブサイトに一定のフィルターをかけたものと考えられるように思われるのです。

一部の最大大手以外の健康系ウエブサイトに対して一斉にフィルターをかけてリスクを極限に減らすといった方針だったように思います。

国内最大大手のヘルスケア企業だったらユーザーに健康被害が起きても責任が取れますが、それ以外は手厚く責任を取ることができません。

例えばバストアップサプリで横行していた信ぴょう性の薄いコンテンツを配信するアフィリエイトサイトについては、企業に代わって商品を紹介するだけの立場であって、健康被害に対しての責任は取らない立場にあります

企業の公式サイトがあれば事足りる話ではありますので、信ぴょう性度返しのバストアップサプリを扱うアフィリエイトサイトは駆除される運命にあったと言えます。

筆者実感の健康系アフィリエイトサイトの現状

ここからは私が運営している健康系アフィリエイトサイトで実感しているポイントを、以下3つの視点でお伝えして行きます。

  • 対象テーマ
  • 評価を受けているのはどんな健康系キーワードか?
  • 興味深いテスト:一度健康系サイトと判定された場合、復活は「どう頑張っても無理」という結論に行き着く

対象となる健康系サイトのテーマってどんな?

健康アップデートで検索順位に影響を受けやすい健康系ウエブサイトはいったいどんなキーワードを扱うサイトなのか?

まずはウエブ上でよく報告されている「健康アップデートで影響があったテーマ」を一覧にしてみました。

健康アップデートの対象になりやすいウエブサイトのテーマ

病気(サプリによるケア含む) 私費診療系治療 ヘルスケア
悪性腫瘍(ガン)
高脂血症や高血糖など循環器系
不妊症(妊活ノウハウを含む)
多汗症
ワキが
「治療」を含むクエリを扱うサイト
美容外科系治療
医療脱毛
レーシック
糖質制限
便秘
酵素・青汁

健康食品・サプリ
バストケア
精力剤

上述の表で挙げたガンについて、医療従事者以外の個人が作成したサイトがユーザーに有益な情報を配信できるか?といったら「有益性ゼロ」です。


また健康アップデート後、以下のように消費者庁の是正勧告を受けたヘルスケア関連商品があります。

消費者庁の是正勧告を受けたヘルスケア商品事例

  • 青汁:痩身効果についての不適切な表示で課徴金の対象に(2018年10月31日)
  • 酵素:視力回復効果についての是正勧告(2018年10月25日)
  • バストアップサプリ:豊胸効果があるとして表示されている成分の合理的根拠を欠く不適切な表示で処分(2018年7月30日)
  • 糖質制限:糖質量の表記について誤認を招く表示

また消費者庁の是正勧告ではありませんが、精力剤医薬的効果を謳う不適切な表示や輸出入で問題が起こったケースもあるようです。

※出典:http://mike-hayashida.blog.jp/archives/1032788140.html


健康系アフィリエイトでかつて売り上げを上げていた大手広告主も、このコアアップデートでアフィリエイトから撤退するところが増えています。

例えば下はある健康系大手広告主の2019年年明けからのアフィリエイターへの告知です。

  • 2019年1月初旬:私たちは真剣にアフィリエイターの皆さんとの関係性を良好に築き上げて行きたいと思っています。
  • 2019年5月27日:当プロモーションが終了します。 直前のご連絡となってしまいまして申し訳ございませんが何卒ご了承ください。
熊谷ヒカル
手のひらを返したようなこの企業の言動に、私は開いた口がふさがらないといった思いをしました。プロモーションに大きく関わっていましたので。

これらを踏まえ、Eコンテンツの運営者がよく取り組むテーマとしてアフィリエイトの人気案件について私が運営するサイトを通しての経験から以下まとめてみました。

上の表の全てのテーマを網羅できているわけではございませんが、ご参考にはしていただけるかと思います。

弊社運営の健康系サイトのキーワード事例

ここからは弊社運営の健康系サイトで、評価されている健康系キーワードの事例をお伝えします。

  1. 病名を含むキーワード
  2. 私費診療系キーワード
  3. ヘルスケア系キーワード

評価を受けている健康系キーワード① 病名を含むキーワード

それでは「病名を含むキーワード」として弊社運営の上昇キーワードをご紹介します。

病名キーワード

  • 遺伝子異常キーワードを含む2語:2位
  • 自己免疫疾患名を含む2語:3位
  • 妊活を含む3語:5位
  • 多汗症を含む2語:大幅な下落

上のキーワードは「命にかかわる症状ほど評価されないかといったらそうでもない」といえる4例です。

評価を受けている健康系キーワード② 私費診療系キーワード

私費診療については弊社事例がそれほど多くもないのですが主に「レーザー・フォトフェイシャル」などの美容外科領域治療のキーワードの一例をご紹介します。

私費診療系キーワード

  • 美容外科特有の疾患名+地域+○○科:5位圏内を維持

上記のキーワード事例は私費診療の病院を紹介するコンテンツで、断続的に行われる健康アップデートにほとんど影響を受けず常に5位圏内を維持しています。

評価を受けている健康系キーワード③ ヘルスケア系キーワード

ヘルスケア系で前述した表の中のキーワードで挙げられる弊社事例は以下のとおり。

ヘルスケア系キーワード

  • 育毛サプリ系キーワード:16.1位上昇で12位
  • 糖質制限+学術論文名:圏外

試しに「打撃を一度受けた健康系サイト」で良質なコンテンツを新規追加してみた

※2019年5月27日追記

幣社が管理している健康系アフィリエイトサイトで、以下のようなテストを行いました。


  • step.1

    ①健康アップデートで打撃を受けたサイト」で メンタル系疾患キーワードのコンテンツを追加


  • step.2

    「①健康アップデートで打撃を受けたサイト」のサーチコンソール上のデータをしばらく様子見、表示回数の伸びがまったくないところに見切りをつけて、「サーチコンソール上でURLの削除」を行う。

    サーチコンソール上のデータ・打撃を受けたサイト


  • step.3

    ②健康アップデートで打撃を受けていないサイト」で、①とほぼ同じ内容のコンテンツを追加、サーチコンソール上で表示回数の伸びが自然に増えているのを確認


検証から得られた結論

検証後の結論

一度健康アップデートで打撃を受けたサイトは、どんなに良質なコンテンツを新規追加しても上位表示ができない

「上位表示が難しい」とかいうヌルイ言葉を使うよりは、「もう無理」と言った方がいいかもしれないです。

一度打撃を受けた健康系アフィリエイトサイトでいくら良質なコンテンツを追加しようと無駄と悟ったのです。

時間も労力も無駄になるだけ、攻撃を受けたサイトで二度と本気を出して良質なコンテンツを新規追加するまいと決めました。

大企業が誤りのあるヘルスケア記事で上位表示されている

※2020年5月21日追記

コアアップデート以降、グーグルは最大大手企業や国立公立の病院のウエブサイトの記事を上位表示していると言われるようになりました。

「最大大手だったら情報が正しいの?」といえば、そうでもありません。

以下は超∞難関ヘルスケア系キーワードの1つ「ダイエット(月間ボリューム170万)」というキーワードで上位をキープしていた最大大手のウエブサイトに致命的な誤りを散見したケースです。

  • 媒体:ハウス食品
  • 監修:日本体育協会公認アスレティックトレーナー西村典子氏
  • 記事タイトル:痩せスピードが加速!脂肪がメラメラ燃える朝ダイエットのすすめ
  • 記事URL:https://housefoods-group.com/activity/e-mag/magazine/74.html
  • 誤りの個所:下記赤線部分

    ハウス食品ウエブサイトのスクリーンショット

    最大大手でも誤りはある

    交感神経が優位な状態では血流が落ちます。

    上の記事の中では「交感神経が優位な状態で血流が促される」とあり決定的な誤り、血流が増えるのは副交感神経が優位な状態です。

熊谷ヒカル
「ダイエット」という超∞難関キーワードで上位表示させている大企業でも、このレベルだとわかって実感したことがあります。

グーグルは世間一般的に見て大企業と言われるウエブサイトを選んでいるだけで、記事の中身の正確性まで判断しているわけじゃない。

検索エンジン自体が、高精度の高いアルゴリズムを持っているわけではない。

誰にだって間違いはありますし、ハウス食品さんのコンテンツを酷評したいわけでもございません。

問題はYMYL系のコンテンツであれだけコンテンツの有用性を言い放ってきたグーグルアルゴリズムが、絶対ではないということ。

上の事例から、膨大な時間をかけてヘルスケア系のジャンルでコンテンツを作成していくことが「無駄以外の何ものでもない」という途方もない徒労と絶望に思えてくるわけです。

熊谷ヒカル
大企業と同じ土俵で戦おうとして結果は見えているので、貴重な時間を吸い取られるのだけは勘弁したいとしか思えないようになりました。

今後の健康アップデートへの対策

巷では健康アップデートについて以下のようなつぶやきが散見されます。

健康アップデートに関するつぶやき ~ヤフー知恵袋より~

  • このまま解除されないままなんだろうか?
  • 健康系サイトと判定されたら、もう回復できないの?
  • 健康コンテンツをいじらずに他に時間割いた方がいい?

お伝えした通り健康アップデートで打撃を受けたサイトで、いくら良質コンテンツを新規追加しても無駄に終わりかねません。

打撃を受けたページをリライトしても同じです。

評価が残っているページで収益化できないかを考える

※2019年5月27日追記

健康アップデートで打撃を受けたサイトで収益化が望めそうな対策としては、「評価が残っているページから収益化を考える」のが取り組みやすいように思います。

具体的には健康アップデート後でも評価が残るページで以下の対策を実施しています。

ポイント

  • 関連するページへとわかりやすくリンク、そこでアクションを起こすように促す
  • 何を伝えたらユーザーはアクションを起こすか?を検討する
  • ユーザーの検索意図を深堀する話題を展開し、マネタイズを検討する
熊谷ヒカル
ユーザーの抱えている問題が深いほどこの3つの対策は実現しやすいと実感してます

アドセンス広告を貼り付ける

健康アップデート後の対策としてアドセンス広告の見直しがおすすめです。

アドセンス広告で収益化するための審査は厳しいというような話を聞いている人が多いと思いますが、コアアップデート以降審査は緩くなっているのではないかと思いますね。

新規ドメインを取得して別ジャンルで新しいサイトを構築する

健康アップデート後の対策として、「新規ドメインを取得し他のジャンルで新しいサイトを構築すること」が重要だと思います。

先程の私のテストでご覧いただいたように、一度健康アップデートで打撃を受けたサイトで復活するのはなかなか難しいです

ここで時間と労力を費やして収益化できないかを考えるよりは、傷を負っていない新規ドメインを構築した方がよほどいい結果が生まれます。

まとめ

大企業でもない限り、個人で健康系アフィリエイトサイトで収益化をはかるのは至難の業です。

私の個人的な意見としては、健康系は足を踏み込んではならない地雷地帯でしかありませんし、おすすめもできません。

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  • この記事を書いた人

熊谷ヒカル

2017年からインターネットビジネスを始め、いろんなジャンルの特化サイトを構築してきました。


現在はブログ初心者さん向け・同じような志を持つ人に教えながら特化サイト構築を両立しています。


2023年のとあるASPでの実績は8,715,700円(「2023年の累計実績」・4月30日現在)、詳細は下記よりどうぞ。